唐津ゲストハウス 鳩麦荘
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心にも感触があることを忘れないでいたい

7/4/2020

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「戦後最大の危機」に呼応する「打ち勝つ」や「乗り越える」「負けない」などの扇動的な言葉の羅列が、わたし(たち)の心に重くのしかかり、今にも押し潰れそうだ。命というものが、社会というものが、かろうじて存在していたという奇跡の連なりである過去と現在について改めて認識している。こんなに大切なことを、わたしはすぐに忘れてしまう。まだ10年と経たない近い過去で、同じように感じたはずなのに。こうして国や社会や世界を揺るがす危機は繰り返し起こり続けていく。そもそも危機ってなんなんだ?
ウォルター・シャイデルは著書「暴力と不平等の人類史」の中で、平等は破壊の後にやってくると述べていて、その破壊は4つに分類することができる。「戦争」「革命」「崩壊」そして「疫病」。正直なところ、どの4つも現代の日本社会において起こり得ないであろうと思っていた。このままずっと資本主義社会は続いていくと思っていたし、富める者はより富み、貧しき者はより貧しくなるのだと当たり前に考えていた。だから、できるだけ資本経済とは遠いところで生きていたいと思って、その結果が今の暮らしにつながっている。
わたしは今日も本を読み、料理をし、畑で芽吹きはじめた新たな生命に目を凝らし、自転車に乗って太極拳教室に行く。ときどき恋人に腹を立てたり、不健康だと分かっていつつもお酒を飲んで、お菓子を食べ、映画を観たりして夜更かしをする。いまだ収入の目処は立たず、やっているはずだったせめてもの経済活動は手のひらからこぼれ落ちたまま、それでも(そうして)日々は続いていく。
生きることの困難に視座を持つとき、心にも感触があることを忘れないでいたい。
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