唐津ゲストハウス 鳩麦荘
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(続)春に生きた記録

20/3/2022

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春になればうんとあくびをして、冬の窮屈さを吹きとばす。また、新しい気持ちで何かを始めたくなるのはどうしてだろう。毎年やってきてはさらさらと流れていく春なのに。だから私のブログは大抵春に書かれていて、そのうち夏の慌ただしさに忙殺されて、いつの間にか立ち消えていくのです。夏が忙しいのは畑の盛りだからで、それはうんざりするほどに忙しく、今年も重い腰をあげて、再びあの闘いに挑んでいくーくらいの士気を持っている。私ひとりの手には有り余るのだが、畑の維持管理をすることは賃貸契約に基づいているから、もうどうしようもない。毎年、半泣きになりながらせっせと励んでいる。
ひと頃の私は唐津と道東を行き来し、犬を飼い始め、水産や畜産の仕事をしていたのだった。ついでに言うと将来を憂いた結果、通信教育も受けている。新型コロナウイルスワクチンを二回接種し、ポイント欲しさにマイナンバーカードも取得した。全く現代を生きている。
最近読んで心底よかった本はミン・ジン・リーによる「パチンコ」で、これは在日コリアンの物語だ。日本では在日という禁忌的なフレーズからか、あまり話題にはならなかったようだが、偏見なく広く読み継がれてほしいと思った。
最近観て心底よかった映画は富山を舞台にした「真白の恋」で、軽度の知的障がい者の恋愛を描いている。富山の風景の美しさもさることながら、障がいを持つ主人公の心の成長や、登場人物それぞれの機微が丁寧に拾われていて、誰にも感情移入してしまう涙腺ズタボロ物語です。
私は息も継げなくなるほどに心をがしっと掴まれて、涙で視界が遮られても、それでも読まずには(観ずには)いられない物語が大好きで、そういう物語に巡り会えたとき、心から「生きていてよかった」と思う。
今日は3月20日。地下鉄サリン事件は27年前のこの日に起きた。ここ数年、個人的にオウム真理教について調べている。きっかけは2018年の教祖・麻原の死刑執行だと思う。麻原は熊本県八代市の生まれで、八代は水俣病が発生した水俣湾に隣接している。麻原には視覚障がいがあり、兄は全盲である。麻原もとい松本家は貧しく、泥底に棲息するシャコをよく食べていたと言う。しかし、水俣病被害者申請をするも却下されている(これは八代に住む多くの人がそうであった)。このような背景から無差別とはいえ、政治権力の中枢である霞ヶ関を標的にしたのではないかと思われる。と、好き勝手に推察するが、死人に口なし、今となってはその真意は測り得ない。そして私も、まだ水俣には行けていない。
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