唐津ゲストハウス 鳩麦荘
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月刊鳩麦通信VOL.4

16/7/2018

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​夏はお洒落なポエムの季節です
グロキシニヤの花の蔭で
あなたの手紙は読んでしまった
ホテルの甘いゼリイのやうに
お!
ボンジュウルも言はずに雨が降る

北園克衛「朝の手紙」より


梅雨が明けると、
​毎年思い浮かぶ一篇の詩。

けれど、
今年の夏はゼリイのように甘くない。

先の大雨で
随分と窮屈な暮らしを強いられている人も
多いのではないでしょうか。

唐津市も山間部を中心に被害を受けましたが
幸いにも中心市街地は河川の氾濫もなく、
平穏な生活を取り戻しています。

わたしたちの日常が
わたしたちの暮らすこの街が
災害と隣り合わせであることを
身に沁みて
感じた数日間でもありました。


今、
目の前に広がる風景も
皮膚を貫く日差しも
鼻をかすめる芳しい匂いも
誰かと交わす会話でさえも

その安寧な暮らしのひとつひとつが、
脆くなった(と感じた)瞬間にだけ
今まで以上に美しくみえてしまう。
(そんな自分を少し、嫌いに思ったり。)


何物も築けないままに
縫い付けたポッケの隙間から
ぽろりぽろりと
失い続けていく日々に
うなだれている自分の背筋は
いつになったら伸びるのだろう。


怠惰の底にあるものは
単なる喪失感なのかもしれない。

​
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