唐津ゲストハウス 鳩麦荘
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mumumu-magazine

古民家を改装した昭和レトロな素泊まり宿「鳩麦荘」
オーナームギの個人的な日々の断片をお届けします。
最近は太極拳や映画、本、ラジオなどの話が中心です。

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MUMUMU-MAGAZINE
    **啓蟄**
​

あわてて畑の準備にかかるのは決まってこの時期。
冬眠していた虫たちとともにわたしもいそいそと動きはじめる季節です。
こころが伸びやかになるもっとも春らしい瞬間かもしれません。
太極図であらわすと陰から陽へと移り変わるところで、
春夏秋冬は平(中庸)→陽→平(中庸)→陰といったふうに捉えます。
桜の蕾も開きはじめ、今週には見頃を迎えそうですね。
春の山々を眺めるとき、全体がぼんやりと桃色にみえて、
その景色がとてもすきです。

三寒四温、どうかお身体に気をつけて過ごしてください。
わたしのほうは昨年に引き続きまた、タトゥーを入れたい気持ちです。


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​

蟄虫啓戸(3/5ごろ)

すごもりのむしとをひらく

戸を啓いて顔を出すかのように、冬ごもりをしていた生きものが姿をあらわすころ。

ほとんどのひとに何も告げず、ひっそりと旅に出る。急遽決めた。
いろんな乗りものの中でもっともすきなのが船で、
船に乗ってどこかへ行くとき、いま旅をしているんだなあというしみじみな気持ちになる。
予約していたのは女性専用の大部屋だったのだけど、
おふろに入っているところへ乗務員のかたが来て
「・・・もしかして、レディースルームのかたですか?」
「はい、そうです」
「おひとりなので鍵をお渡ししますね」
「あっ、そうなんですか、ああっ、こんな姿でごめんなさい」
「あああっ、こちらこそこんなときに」
みたいな会話をした。
高野山町石道というトレッキングコースを歩いたり、
友人が勧めてくれた窯元でうつわを選んだり、
阿字観という座禅をしたり、護摩祈祷などのお勤めに参加したり、
友人とお酒を飲んだり、友人が営むお店でお花を買ったりなどした。
帰りは18きっぷを使って呉線に乗り、ぼんやり海を眺めたりして
総じていい旅行だった。
思い返してみると、
こんなふうにふらりとあちこち旅行をするのは2019年の夏以来で、
すっかり生活が変わっていたのだなと気づいた。

桃始笑(3/10ごろ)

ももはじめてさく

桃の花が咲き始めるころ。
花が咲くことを「笑う」と表現し、「山笑う」は春の季語です。

三月の新月は13日だった。
新月にはいつもと違うことがしたくなる。
朝目覚めて猛烈に
「うおおおおお、イメージチェンジがしたい」
となって即座に美容室を予約し、
かねてより美容室では喋りたくない勢にジョインしていて、
鏡の前に置かれて、どうしたものかと困っていた雑誌類も
タブレット端末にすっかり変わったので
買おうかどうか迷っていた
「&Premium(アンド プレミアム) 2021年4月号 [心が動く、言葉の力。] 」
を読み、買わなくてよかったと思った。
わたしは息を吸って吐くような言葉には関心があるけれど、
ひとの心が動くことには全くもって関心がない悲しい性の持ち主だったことを思い出した。
そもそも他者にあまり興味を感じない、というか
わたしはわたし、あなたはあなた、
自分ですらときどきままならないのに、ひとのことなど分かるはずもない。
分かったつもりになるなど人間の業だと日頃から思っているので
読んでみて改めてどうでもよかった。
かけてもらったパーマはほどよい感じで非常に気に入っている。


菜虫化蝶(3/15ごろ)

なむしちょうとなる

青虫が紋白蝶になるころ。
「菜虫」は菜を食べる青虫のこと。
菜の花が咲いてまさに春本番。

畑ウィーク到来。
昨年はコロナ禍になったばかりで
精神的にすごく落ち込んでいて
全然手がつけられずひどい有り様だったけれど、
今年はごりごりやった。
土に触れているだけで大地から栄養をもらうのはもちろん
草花や虫たちは世界がどんなふうに変わっていても関係がなくて
毎年同じように芽吹かせ、同じように命を終えていく。
生命の強さをひしと感じる瞬間に、
わたしも生きていてよかったなと思う。
ときに深く考えこみすぎて、気持ちは塞ぎがちになるけれど
未来を信じるという行為の儚さと脆さ、そして愚かさを
身を以て知った一年だった。
最近は何かにつけて昨春からの一年を振り返ることが多く、
わたしの中でコロナ禍突入からの節目のような感覚があって
ときどき気を狂わせたり、這って生きていたりもしたけれど
この一年があってほんとうによかったなという感想。

畑のことをお知らせすると
畝にはやさい、ハーブ、おまめの3つのゾーンがある。
やさいは正方形、ハーブは東西、おまめは南北の畝。
毎年いろんな畝の形に挑戦していて、しかくは結構いい。
畝をぐるりと囲むように苗木を植えていて
ぱっと思い浮かべるだけで
ミモザ、あんず、レモン、ジャスミン、金木犀、さくらんぼ、ユーカリ、
ライスフラワー、くり、山椒、スモークツリー、金柑、夏みかん、すもも、
オリーブ、いちぢく、ブルーベリーなどなどがある。
よくもまあ、こんなに・・・ときちんと自分でも思わなくもない。


******************************※*************************

わたしの心持ちを他所に、今日もまた桜はそこにあり、
花を咲かさずとも、常にそこにある。
じょうずに人の死を手放せずにいる、わたしのようなたくさんのひとびとのために。
ー去年の春に書き連ねていたことば。

それではみなさんよい「春分」を。
                                        MUMUMU-MAGAZINE_啓蟄号
                                        唐津ゲストハウス鳩麦荘 むぎ

MUMUMU-MAGAZINE
    **雨水**
​
みなさんいかがお過ごしですか。
さっそく遅れての配信です。
さいきん宿のほうは貸し切りの営業をしていて
わたし個人的にはインターネットが不足気味です。
(住まいにはインターネットがありません。)
昨年、格安スマホに変えたので、ひと月5GBでどうにか賄っています。
必然的にパソコンに触れる時間も減ってしまい、
いそいそと雨水号を仕上げています。

畑に植えたミモザ2号が見ごろを迎えています。
ミモザ1号はよほど甘くておいしかったのか、
鳥たちにむしゃむしゃ食べ尽くされてしまいました。
昨年の大きな台風でぽっきり折れたライスフラワーも
なんとか新芽をつけていて、ほっとしています。

ほんとうに、すっかり、春なのだなあ、とぼんやり気付かされている次第です。
わたしたちはいつから自然のできごとへの感覚が疎くなってしまったのでしょうね。

<目の独裁>に支配されず、匂いや微細な音の変化にも気づける余白を
持ち合わせていたいものです。

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土脉潤起(2/17ごろ)

つちのしょううるおいおこる

雪がしっとりした春の雨にかわって、大地が潤い始めるころ。

ときどきの夜に
料理屋「あるところ」というむかしばなしのようなお店の手伝いをしていて、
行き道にユニクロにウン億年ぶりに立ち寄り
値引きされていたウルトラライトダウンを購入(なんと1980円!)。

ぜんぜんまったくうんざりするほどにフェアトレードではないかつ
ケミカルオブケミカルな商品かつ消費社会の権化である
ファストリをわたしは極力避けている。
にもかかわらず、どうしてだかふらと入店してしまった。

アチャーこれでわたしもユニクロ族だわ、と猛省していた帰り道に突如、
唯一の持っている電動愛車・原付バイクが動かなくなった。
乗っているバイクは「パセッタ」という旧車。
「パッソルのキュートな妹」がキャッチコピーで、すこぶる軽いのだけど、
なんせ40年以上も昔のバイクだからほんとうに手がかかる。
ハイパーキック100連発も虚しくエンジンはうんともすんとも言わず、
仕方なく寒空のもと、いなかみちを押して帰るはめになり、
しかしながらウルトラライトダウンを装着していたおかげで命拾いした。

2時間近くのナイトウォークwith不動と化した原付。
思わず漏れた言葉は「ユニクロ最高…」。
一生ついていきます。という気持ち。

霞始靆(2/22ごろ)

かすみはじめてたなびく

春霞がたなびき始めるころ。
春の霞んだ月を「朧月」(おぼろづき)と呼ぶ。
ぼんやりしたお月様は幻想的でとってもきれい。

エアコン2号取り付けの儀が無事に執り行われ、
4年目にしてようやっと快眠が約束される。
いままでみなさんほんとうにご不便、もといご不快おかけいたしました。
1階部分に譲り受けた6畳用エアコン、2階部分に12畳用エアコンという
アンバランスな配置にはなりましたが、エアコン事変これにて完結。
夏場の熱中症、心配無用です。

今年はもっといろんなことを自らの手でできるようになりたいと
ひそかな目標のため、一日かけてのおみそづくり。
前日から大豆を水に浸し、大きなお鍋ふたつでガンガンに炊き、
塩きり麹とマリアージュさせた上でみそ団子をこしらえ
樽に向けて鬱積している生活感情とともに投げつけたのち
空気を一ミリも取り込まず蓋と重石をして秋までパンドラの匣なり。

その他、佐賀市にあるコース料理のみを提供している
「カレーのアキンボ」へ行ったり、
長い間こつこつ貯め勤しんだ楽天ポイントでMacBookを買うなど充実。
約10年ぶりの買い替えにいまだ馴染めずにいて
この文章も旧態依然とした11インチのちんまりMacで打鍵。

草木萌動(2/27ごろ)

そうもくめばえいずる

草木が芽吹き始めるころ。
草の芽が萌え出すことを「草萌え」(くさもえ)と言います。

GWへ向けてリハビリ開始。
すこしずつ宿をひっそりのそのそ営業する。

いまの気持ちとしては、GWのあいだはこれまでどおりに
営業してみようと考えていて、そのあともう一度立ち止まるつもり。
というのもやっぱりわたしが生業としているちいさな素泊まりの宿は
どうしても密接な部分を避けられなくて、
それはいまの時代に必要のないことで
わたしは平気なふりをして変わらないままでいることができない。
なにか方法を考えないといけないと思ったまま一年が過ぎ、
なにも思い浮かばないまま、また
よしとされていることへのしたくなさも加わり、
根っこの部分である宿業そのものから気持ちが離れている。

花を咲かすためには葉脈が必要で、
すくすくと育つには幹が大切で、
そのすべてを支えている土に隠れた場所。

ものぐさもいい加減きちんと
まっすぐ向き合わないといけないなあと思っている。

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花の命は短くて苦しきことのみ多かりき

先日、林芙美子ゆかりの地・尾道へ立ち寄ったので。
それではみなさんよい「啓蟄」を。
                                        MUMUMU-MAGAZINE_雨水号
                                        唐津ゲストハウス鳩麦荘 むぎ

MUMUMU-MAGAZINE
    **立春**

ときおり心地よい風が吹き、春のおとずれをすぐそこに感じます。
なんだか新しいことをはじめたくなるこの季節に
SNSと距離を保ちつつも、みなさんとの関係を続けていきたいと思い選んだことは
ブログなどではなく、メールマガジンでした。
懐かしくもときどきちょっぴり鬱陶しい、そんなふうに感じてもらえたなら
わたしの期待しているところです。

コロナ禍の一年、雑多な情報に囲まれて
こころが疲れてしまったひともたくさんいたと思います。
わたし自身も、SNSとの付き合い方を今一度改めて考えさせられました。
できるだけちいさくちいさく過ごしていきたい、
そんなふうにして、いるもの(こと)・いらないもの(こと)を
ひとつずつ整理した儚くも、特別な時間でした。

季節とともに心身清らかにありたいとの考えから
二十四節気に準じて配信したいと思います。
(ほんとうはちょっと遅れてしまっているけれど、今回はまだ立春の配信です。)
それをさらにみっつずつに分けた七十二候に沿って、ひとつの号にする予定です。

個人的な日々の断片をお届けします。
おそらく太極拳や映画、本、ラジオなどの話が中心です。

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東風解凍(2/3ごろ)

こちこおりをとく

七十二候でもっとも好きなことば。
春の風が川や湖の氷を解かし始める頃のことで、
「東風(こち)」とは春風を表わす代名詞。

今年の節分は124年ぶりに2月2日だったそう。
ということはこの二十四節気や七十二候も1日ずつずれるのだと思う。

毎年ゲストさんと一緒に、豆まきや恵方巻きを食べたりしていたけれど、
今年はなんにもしなかった。
ひとりだとほんとうになにもしないもので、
わたしは基本的にものぐさなところがあるから、まあまあ予想通りな節分だった。

週末には春から金沢市へ引っ越してしまう友人夫婦に会うために豊前市へいった。
きっとこんなご縁がなければ、この土地を踏むこともなかったのだろうな、と思うと
すこしだけ感慨深く感じたりした。
金沢も行ったことがないまちなので、あそびに行ける日が待ち遠しい。

帰ってきてアイフォンのヘルスアプリを開いてみると
一日で20kmくらい歩いていて、びっくり。
日常生活では自転車でばかり行動するけれど、
出かけるときにはほんとうによく歩くから、
もしかすると存外都会暮らしが向いているのかもしれない。
(たくさん歩きますよね?)


黄鴬睍睆(2/8ごろ)

うぐいすなく

山里で鴬が鳴き始める頃。
春の訪れを告げる鴬は「春告鳥(はるつげどり)」とも呼ばれる。

祖父と母の誕生日が立て続けにあるから、
家族としてはすこしイベント的な季節。
でも、実家には普段まったく帰らないな、
同じ市内だから、そう遠くもないのだけれど・・・

旅行ばかりしていた頃は、お盆やお正月などの大型連休には
日本にいることがほとんどなかったのと、
学生時代を寮生活で過ごしたから
「帰省する」という感覚がないのだと思う。

そんなわけでたまたま出かけた先の道中に実家があったから
久しぶりに家族の顔をみた。
お誕生日おめでとうを言って、
お茶を飲んでしばらくお話しをして、元気そうでよかった。

毎年年末に、
「劇場へ足を運んだベストスリー」という勝手な映画記録を更新していて、
2020年はしてなかったことをふと思い出し、いそいそ選んで更新。

「在りし日の歌」ワン・シャオシュアイ
「HONEY BOY」アルマ・ハレル
「Sorry We Missed You」ケン・ローチ

家族に焦点が置かれているものをたくさん観たような気がする。

さみしい作品を選ぶ癖はまだ治らない。
とぽつりコメント。


魚上氷(2/13ごろ)

うおこおりをいずる

水がぬるみ、割れた氷の間から魚が飛び跳ねる頃。
春先の氷を「薄氷」と呼ぶ。

コロナ禍でうだうだうじうじのろのろしていたころ、
いいかげんなにかしないと。と思って
よしこれだ。と選んだ薬膳漢方検定の試験があった。
あのころはほんとうに無気力で、
何をすればいいのか何をすべきか何をしたいのか
ひとつも分からなくて、こころはいつも混乱していたように思う。
そうしてやっと手に取ったひとつの行動が薬膳漢方検定で
なぜ???と自分で自分に問いたい気持ちを抱きつつも
たぶん、合格していると思う。。

友人が営む鍼灸院で、人生初の鍼体験。
緊張しつつ、美容鍼の効果に感動。
冬のあいだはできるだけからだに負担がかからないように
気をつけながら過ごしているのだけど
(冬の養生が一年を過ごす上でとっても大切。)
「少し走ったり有酸素運動した方がいいかもね」
と言われて、久しぶりにジョギングを再開(する予定)。
長い時間走ったり歩いたりすることはむかしからけっこう好きだったから、
正式な助言をもらってうれしい気持ち。

バレンタインデーに弟と久しぶりに長電話。
BTSにはまっているとのこと。ひとしきり笑う。

太極拳的ビッグニュース。
来年度からの県育成強化指定選手に選抜され、
家族や友人など周囲の爆笑を浴びながら快諾。

どうしてこんなおかしな人生の方向へ進んでいるのか不思議でならない。

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それではみなさんよい「雨水」を。            MUMUMU-MAGAZINE_立春号
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